◆おすすめポイント◆
- 独自の再生エンジン
- 再生可能な形式は全てギャップレス再生対応
- 充実したライブラリの管理機能
- グラフィカルで洗練されたデザインと使いやすいUI
TuneBrowser公式サイト「Tiki's Remarks」
「動作環境」
- Windows7SP1以降
- 32bit版・64bit版・UWP版
「再生対応形式」
- DSD, FLAC, TTA, MP3, AAC, ALAC, Ogg Vorbis, WavPack, Wave, AIFF, APE, WMA
「ライセンス」
- シェアウェア
- ライブラリ登録楽曲数500曲までは無料で試用可能で、その他の機能制限は一切なし。 さらに、インストールから30日までは登録楽曲数の制限なし。 30日経過後に500曲の制限が課せられるが、それまでに登録している楽曲は引き続き利用可能。
独自の再生エンジン
TuneBrowserは作者拘りのオリジナル再生エンジンを搭載しているため音質に拘りのある方は一聴の価値ありです。
あらかじめメモリに一曲丸ごと読み込んで再生するRAMDecodeという機能が使えます。通常なら再生しながらHDD・SSDにアクセスし続けるわけですが、この機能により再生中はアクセスがメモリからのみになるため、ストレージからの電磁的なノイズによる影響を抑制することが期待できます。
設定で完全にオフにするか、一曲毎に読み込むか、表示中の再生リストにある曲を全て読み込むかが選択できます。一番良いのはもちろん全曲読み込むですが、メモリを潤沢に搭載していないと対象の曲が多すぎる場合などは読み込んでくれません。 ちなみに、RAMDecodeが効いていない場合はRAMというアイコンが半透明になるのでメモリに読み込んでいるかどうかは簡単に確認できます。
RAMDecode有効RAMDecode無効
※以下はライブラリの[選択されたアルバムを再生対象にする]をNoにしている場合の話です。
注意点として、特に絞り込みをせずに[Library Viewer]でライブラリを閲覧している場合はどうもライブラリに収録されている全曲が対象になってしまうようなので、対象の曲が多すぎてまずメモリに読み込んではくれません。 ですので、RAMDecodeが効かないと悩んでいる方はアルバム毎に再生したり、再生リストで再生するようにしましょう。 もちろん、[選択されたアルバムを再生対象にする]をYesにしても回避出来ます。 ポイントは[Playback Queue]に表示されているものが現在の再生の対象リスト(そしてこれがおそらくRAMDecodeの読み込み対象範囲)だということです。
設定でメモリの使用量を調整したりメモリを増設するのも手ですが、対象の曲数が数百から数千、あるいはそれ以上と膨大になるでしょうから、[選択されたアルバムを再生対象にする]をNoで運用している場合は[Library Viewer]からの再生を視野に入れるのは現実的ではないかもしれません。 一つの再生リストに膨大な楽曲を放り込んでも同様です。
一曲毎に読み込むにすると間違いなくメモリに読み込んでくれますが、一曲終わる毎に停止して読み込みを始めるため、ほんの一瞬だけ再生が止まります。 これが許容できる方はライブラリからつまみ食い的に再生しても問題の無いこちらを選んでも良いでしょう。
充実したライブラリの管理機能
TuneBrowserを紹介する上でとくにおすすめしたいのがライブラリ管理の秀逸さです。
TuneBrowser起動中はライブラリ対象フォルダを常に監視しているため曲(ファイル)の追加・削除などの更新があれば即座に反映してくれます。 対象のフォルダを複数設定できるため、iTunesやAmazonなどで購入した楽曲のフォルダをそれぞれ指定すれば細かい調整をしなくても一発でライブラリへの登録は完了という手軽さが魅力です。
複数のストアのライブラリを統合して、アルバムのアートワークがずらっと並んでいるのを眺めるのも楽しいですが、特に推したいのが[フォルダーツリー]による管理で、これによりどこからダウンロードした楽曲かが簡単に把握出来るようになります。
Steamで購入したサウンドトラックやMusieなどからダウンロードしたファイルも、フォルダで分けて管理すればTuneBrowser上でも分かりやすく管理できるというわけです。
タグ付けで管理しても良いのですが、フォルダがタグのように使えるのでこれが非常に手軽で魅力的なんですよね。 タイトルは忘れたけどiTunesで買ったのは覚えてるというときは、[フォルダツリー]でiTunesのライブラリを指定すれば[Library Viewer]にiTunesで購入したアルバムをズラッと並べることが出来ます。 タグのジャンル枠など適当なスペースを潰した独自のタグ付けによる管理などもってのほかという人は要チェックです。
また、こちらはあまりおすすめするわけはありませんが、タグ付けが適当だったり全く付いていない楽曲にもフォルダ管理は有効な手法です。 こういうことが出来るのもライブラリに登録したフォルダ以下のフォルダもすべてフォルダツリーの表示対象だからです。本当に細かい部分まで行き届いているソフトだと感じます。
グラフィカルで洗練されたデザインと使いやすいUI
ソフトを起動してみれば分かります。非常に綺麗な画面がそこには広がっているはずです。 もちろんデフォルトで。 foobar2000などを使っている方は、その理由に拘ったレイアウトが構築できるというのがあるかと思いますが、何もしなくても作者が細部まで拘ったであろう妥協の伺えないレイアウトが利用できます。
グラフィカルなのに邪魔にならず、ぬるぬるキビキビ動くアニメーションのセンスの良さが目を惹きますが、何よりも使い勝手が非常に素晴らしいです。 おそらくこういう機能、インターフェースが欲しいという作者自身の要望を追求していた結果なのだろうな、というのが手に取るように分かる実用に即した使い勝手が実現出来ています。 私自身、ここまで自分好みの味付けがされているUIはなかなか覚えがありません。
再生開始時に一時的に表示されるミニ窓
その秀逸さを語るならやはり[Playback Queue]を挙げなければなりません。 一見するとやや分かりづらい項目ではあるのですが(ライブラリ、リスト、アルバムなどを再生している時と全く同じものだよね的な疑問)、これが現在の再生対象リストであると分かればその有用性が一気に花開きます。 これは通常のプレイヤーなら内部処理で隠れている部分なのですが、あえて表に出すという発想はちょっとしたコロンブスの卵ではないかと個人的には思っています。
まず前提として、再生中の曲に表示(カーソル)が同期して画面中央にスクロール、配置されるのは[Playback Queue]にのみ有効な機能となっています。 何故こういうことになっているかと言うと、[Playback Queue]以外のタブで閲覧している時は「閲覧・管理」が目的であって例えばアートワークのサイズは小さくても良いわけです。
いえ、あえて言わせて頂くとアートワークが大きいと非常に見辛いのです。複数のアルバムから一曲ずつ抜き出したプレイリストなどが顕著で、とてもではないですがリストの管理には向きません。 また、これは[Library Viewer]で特に問題になること(が予想される)ですが、再生しながら楽曲の閲覧をしている時、次の曲へ移る度に同期されると非常に鬱陶しいことになるでしょう。
つまり、再生することにのみ特化したビューを設けることで再生中の曲への表示の同期といった挙動、大きなアートワークといったビジュアルの調整を解決しているわけです。 開発者視点ではなく、使用者の視点で生み出されたことが伺える機能だと言えるでしょう。 頭で考えただけでは無駄にしか思えず、使ってみなければその有用性が理解しづらいですからね。
TuneBrowserはタブで管理されており、[Playback Queue]と[Library Viewer]のみが必須となっています。 その他のタブはプレイリストとなります。ここからがこのソフトの肝です。 楽曲を選択してからタグによる抽出ボタン(ArtistやAlbumといった文字が並んでいる部分です)を押すとそれに対応したプレイリストが自動で作られタブに並べられます。
これにより、アルバムやアーティストなど様々なタグで抽出してインスタントにプレイリストが作成出来るため、手間を掛けずに今聞きたいリストが作りやすいのです。
Tips
さて、ライブラリの使い勝手が非常に素晴らしく、再生も優秀なソフトですが、操作に関しては初期状態ですとやや独特の挙動をするUIとなっています。 そのままでも違和感の無い方は読み飛ばしてくれて構いませんが、おおよそ直感的と言えるのではないかという挙動に調整する方法やちょっとしたTipsをご紹介します。
- プレイリストの自動保存
- [基本の設定]-[操作の設定]の[プレイリストの設定]-[自動で保存する]をYes
- 再生位置を覚えていて欲しくない
- [再生の設定]の[再生の操作]-[再生位置を覚える]をNo
- [Library Viewer]から選択した時、[Playback Queue]の表示をアルバムに制限されたくない
- [再生の設定]の[再生の操作/確認の設定]-[選択されたアルバムを再生対象にする]をNo
- 曲をダブルクリックで再生する
- [再生の設定]の[再生の操作]-[楽曲のダブルクリックで再生する]をYes
- 再生中の終了確認ダイアログを消す
- [再生の設定]の[再生の操作]-[終了時期に再生していたら確認する]をNo
- RAMDecodeを有効にする
- [再生の設定]の[再生の操作]-[再生の詳細設定]-[デコードの設定]-[ファイルアクセス]-[RAMDecodeする]をYes
- [プレイリスト]や[Playback Queue]のデフォルトの表示の設定
- [表示の設定]-[アルバムビューの設定]の[表示形式の自動切り替え]-[Level1]にある[プレイリストを表示するスタイル]や[Playback Queueを表示するスタイル]を好みの表示に選択
- アルバムビューからリストビューへの切り替え操作
- アルバムのアークワート下部の余白、または一番下の楽曲より下部の余白(但し、こちらは余白がほぼないパターンが多い)をダブルクリックでアルバムビューからリストビューへ切り替え
- アルバム内の楽曲の全選択
- アルバムのタイトルと楽曲の間をワンクリックでアルバムの曲を全選択
- 楽曲の左にカーソルを合わせないと表れないアイコンが存在する
- 初見では非常に分かり辛いですが、再生/停止ボタンと楽曲プロパティ表示ボタン(こちらは合わせるだけで一時的なビューが起動)が存在するため混乱しないように把握しておきましょう。アートワークの左上にも同じものが存在します
- 手動によるプレイリストの曲順の並べ替え
- 右クリックでドラックアンドドロップ