Outlookの仕様について

  • ファイルの構成
  •  Outlookは受信箱の情報(受信や送信済みといったトレイの全構成やメール本文、添付ファイル全て、既読未読などの属性)をpstという単一のファイルにまとめてアカウント毎に格納します。 例えば、aaa@bbb.jpというメールアカウントの受信箱であれば、aaa@bbb.jp.pstというファイル名になります。普通のファイルとして扱えるのでコピーや移動は容易ですが、Outlookを起動させた状態だとロックされていますので作業を行う場合は終了させておきましょう。
     アカウント情報はファイラで扱える形ではありません。つまり、バックアップやエクスポートはサポートされていません。レジストリを触れば出来ますが、ここでは扱いません。
  • pstの保存場所
  •  「ファイル」-「情報」-「アカウント設定」から「アカウント設定」を開き、「電子メール」タブから目的のアカウントをクリックします。ウインドウ下部に「フォルダーの変更」という項目があり、その右に格納場所が記載されています。
     例として、Windows10のPOP3アカウント設定におけるデフォルトの格納場所は「C:\Users\[ユーザー名]\Documents\Outlook ファイル」です。
    ※Windowsのバージョンや設定するアカウントの方法によって格納場所は異なります。

設定方法について

はじめに:別ドライブへpstファイルを格納したいという前提で書いています。

  • ケースA:既にpstファイルがある(引っ越しのために旧PCなどから取得してきた)場合
  •  あらかじめ、pstファイルを格納したい目的の場所へ配置しておきます。
     「ファイル」-「情報」-「アカウント設定」から「アカウント設定」を開き、「電子メール」タブの新規からアカウントのセットアップを始めます。各項目を埋めつつ、「新しいメッセージの配信先」の「既存のOutlookデータファイル」にチェックを付けます。「参照」を押し、先ほど配置しておいたpstを指定します。※この部分は後から修正出来ませんので、アカウント設定を「新しいOutlookデータファイル」のままで設定してしまった場合は、そのアカウント情報を削除して再度アカウント設定をし直しましょう。
    outlook01
     これでアカウント設定を終えれば全ての設定は完了です。
  • ケースB:既にpstファイルがある(現PCに既にアカウントを設定してある、つまり格納場所を移動したい)場合
  •  Outlookを終了した状態で、移動したいpstファイルを格納したい目的の場所へコピーします。
     Outlookを起動し、「ファイル」-「情報」-「アカウント設定」から「アカウント設定」を開き、「電子メール」タブから該当のアカウント情報を削除します。同様に「データファイル」タブの同アカウントのデータファイルも削除します。さらに、実体のpstファイルは消えていませんのでこれをエクスプローラから手動で削除します。削除にあたって、「データファイル」の削除ボタンを押す前に「ファイルの場所を開く」を押して該当のフォルダをエクスプローラで開いておくと良いでしょう。
     後は、ケースAと同様の手順で設定します。
  • ケースC:pstファイルがない(新規にアカウント設定をする時に格納場所をデフォルトではないところへ指定したい)場合
  •  「ホーム」-「新しいアイテム」-「その他のアイテム」-「Outlookデータファイル」をクリックし、目的の格納場所へ、空のpstファイルを作成します。ファイル名は、aaa@bbb.jpというメールアカウントであれば、aaa@bbb.jp.pstとすると良いでしょう。
     後は、ケースAと同様の手順で「既存のOutlookデータファイル」をaaa@bbb.jp.pstに指定して設定します。

実は

 Outlookを終了した状態でpstファイルを目的の格納場所へ移動すると、次回起動時に格納場所を聞いてくるので移動した場所を指定すればいい。というお手軽な方法があったのですが、設定画面上ではデータファイルの指定が上手くいっているように見えても、「Outlookデータファイルにアクセスできません」というエラーが出て送受信が出来なかったためここまで整理して導き出すのに苦労しました……。質が悪いことに、一旦は正常に動作していても次回起動時にはエラーが発生するというパターンに嵌まったため、この記事を書いた次第です。